Anthology : Lovers / 詩苑:愛する者たち


2019年2月8日 – 11日
京都市立芸術大学作品展

 

 


身体の交換不可能性とコミュニケーションの形式的可能性・不可能性を主題とする三点組の作品。
「Chance Conversation / 偶然の会話」では、三人がそれぞれ異なる小説の台詞部分のみを同時に音読する。声が偶然重なるとき、それは時折会話に、あるいは口論に聞こえる。内容を共有せずに、会話という形式だけがぎこちなく成立する。
「Name Cloud / 雲に名前をつける」は、流れる雲の映像に、参加者たちが雲に名前をつける声を重ねている。互いの命名に共感したり、しなかったりしながら、不定形なものに言葉を当てる行為が続く。「名前をつける。あるいは、名前をつけなくてもよい。」という前書きが示すように、命名は義務ではない。不定形な雲に名前をつける行為は、人間同士の不定形な関係に言葉を当てることの困難を想起させる。
「My eyes can’t shed your tears, / わたしの目はきみの涙を流せない,」は身体の交換不可能性、共感の根本的な不可能性を訴える詩的テーゼだ。しかし続く一行「but that’s why I can touch you.」が、その不可能性の先に触れることの可能性を静かに示す。

 


 

 

Chance Conversation / 偶然の会話

 

 

 

小野川耀心 – 『一千一秒物語 / 稲垣足穂』

寺本遥 – 『死の棘 / 島尾敏雄』

森菫 – 『美しさと哀しみと / 川端康成』

 

Yoshin Onogawa  – “One Thousand and One-second Stories” by Taruho Inagaki

Haruka Teramoto  – “The Sting of Death” by Toshio Shimao

Sumire Mori  – “Beauty and Sadness” by Yasunari Kawabata

 

 


 

 

My eyes can’t shed your tears, / わたしの目はきみの涙を流せない,

 

 

“ but that's why I can touch you. ”

 

 


 

 

Name Cloud / 雲に名前をつける

 

 

名前をつける。

あるいは、名前をつけなくてもよい。

/ You name it.

Or you don’t have to.

 

 

 

いしいしんじ

いしいひとひ

宇野湧

shimizu kana

タナベシオリ

丹埜由一郎

寺本遥

前田大輝

松野泉

森菫

 

Shinji Ishii

Hitohi Ishii

You Uno

Kana Shimizu

Shiori Tanabe

Yuichiro Tanno

Haruka Teramoto

Taiki Maeda

Izumi Matsuno

Sumire Mori