Haruka Teramoto | 寺本遥

Anthology : Lovers / 詩苑:愛する者たち

2019.01.31  | Space



 

 

“ but that's why I can touch you. ”

 

名前をつける。
あるいは、名前をつけなくてもよい。
/ You name it.
Or you don’t have to.

 

 

 

身体の交換不可能性とコミュニケーションの形式的可能性・不可能性を主題とする三点組の作品。
「Chance Conversation / 偶然の会話」では、三人がそれぞれ異なる小説の台詞部分のみを同時に音読する。声が偶然重なるとき、それは時折会話に、あるいは口論に聞こえる。内容を共有せずに、会話という形式だけがぎこちなく成立する。
「Name Cloud / 雲に名前をつける」は、流れる雲の映像に、参加者たちが雲に名前をつける声を重ねている。互いの命名に共感したり、しなかったりしながら、不定形なものに言葉を当てる行為が続く。「名前をつける。あるいは、名前をつけなくてもよい。」という前書きが示すように、命名は義務ではない。不定形な雲に名前をつける行為は、人間同士の不定形な関係に言葉を当てることの困難を想起させる。
3つ目の小品の題「My eyes can't shed your tears, / わたしの目はきみの涙を流せない,」は身体の交換不可能性、共感の根本的な不可能性を訴える詩的テーゼだ。しかし続く一行「but that's why I can touch you.」が、その不可能性の先に触れることの可能性を静かに示す。

2019年2月8日 - 11日
京都市立芸術大学作品展

Chance Conversation / 偶然の会話 :
Yoshin Onogawa  - "One Thousand and One-second Stories" by Taruho Inagaki
Haruka Teramoto  - "The Sting of Death" by Toshio Shimao
Sumire Mori  - "Beauty and Sadness" by Yasunari Kawabata

Name Cloud / 雲に名前をつける :
いしいしんじ
いしいひとひ
宇野湧
shimizu kana
タナベシオリ
丹埜由一郎
寺本遥
前田大輝
松野泉
森菫