花
2023.04.20
チューリップを見ると、
幼稚園で反響する声や、
園内にあったリス小屋やインコの小屋の
独特の幼さを思い出すからあまり好きになれなかった。
大学に入って、
友達の絵でチューリップを見たときに
なんて洒落てるんだろうと思った。
チューリップの色や形が
こんなに綺麗だとは知らなかったことを、
初めて知った。
花弁が描くカーヴ
平行脈の美しさ
茎のしなやかさを、
何か一つ、モチーフを見つめるときに、
どうしても引きずるイメージや
勝手に語り出される物語越しで
物事をよく固めてしまうことがある。
“その絵を見た”ということも
もしかしたらそういう見方をしていると思うけれど、
その出来事から
私は道端の誰かの庭などで
見るチューリップがとても好きになった。
なにかを嫌いになり方も、
好きになり方も似ていると思う。
良いところばかり見ていると
良いところがするすると引き出されるし、
悪いところばかり見ているとそれも同じで、
なにかを興味を持って見つめる、
ということについてずっと考えている。